2026.9.29

中国KOLマーケティングの現状と2026年に押さえるべきトレンド

中国市場でKOLを起用したものの、話題にはなっても売上につながらない、そもそも何から手をつければよいか分からない――そんな悩みを抱えていませんか。

本記事では、中国のKOL・KOCマーケティングの現状から、ライブコマースやショート動画、AI活用、規制強化といった2026年に押さえておきたいトレンド、日本企業が取り残されがちなポイント、そして成果につなげるための最新のアプローチまで、実践的に解説します。

1. 中国KOLマーケティングの現状

中国では、SNSやEC上での口コミが消費者の購買行動を大きく左右しており、KOL(Key Opinion Leader)を活用したマーケティングはすでに欠かせない手法となっています。一方で、市場が成熟するにつれて、「有名なKOLを起用すれば売れる」という時代は終わりつつあります。

この章では、日本企業がまず理解しておきたい中国KOLマーケティングの現状を整理します。

1.1 KOLだけでなくKOCの存在感が高まっている

近年の中国市場では、影響力の大きいKOLに加えて、KOC(Key Opinion Consumer)と呼ばれる一般消費者に近い発信者の存在感が高まっています。KOCはフォロワー数こそ多くないものの、実際の購入者としてのリアルな体験を発信するため、同じ目線の消費者から高い信頼を得やすいのが特徴です。

広告色の強い投稿に対して消費者の目が厳しくなるなか、KOLで認知を広げ、KOCの口コミで信頼を積み上げるという役割分担が重視されています。

1.2 プラットフォームごとに役割が分かれている

中国のSNSは、プラットフォームごとにユーザーの使い方が大きく異なります。たとえばRED(小紅書)は商品の口コミや使用体験を検索して比較する「種草(おすすめによる購買意欲の喚起)」の場として、Douyin(抖音)はショート動画やライブ配信を通じて興味を喚起し、その場で購入まで完結させる場として活用されています。

そのほかにもWeiboやWeChatなど、情報の拡散やファンとの関係構築に強いプラットフォームがあり、目的に応じた使い分けが欠かせません。

1.3 話題性よりも費用対効果が問われている

KOL施策の費用が高騰するなか、企業には「どれだけ話題になったか」ではなく「どれだけ売上や指名検索につながったか」という視点での効果検証が求められています。再生数やいいね数だけで評価していると、施策が売上に結びついているのかを判断できません。

KPIを事前に設計し、施策ごとの成果をデータで振り返る姿勢が、中国KOLマーケティングの成否を分けるポイントになっています。

2. 2026年に押さえるべき中国KOLマーケティングのトレンド

中国のSNS・EC市場は変化のスピードが速く、昨年までの成功パターンが今年も通用するとは限りません。2026年は、ライブコマースの成熟、ショート動画と検索の融合、AI技術の活用、そして規制の強化という4つの流れを押さえておくことが重要です。

ここでは、それぞれのトレンドを具体的に解説します。

2.1 ライブコマースの成熟とブランド自らの配信

ライブ配信で商品を販売するライブコマースは、中国ではすでに定着した販売手法です。近年は、トップライバーに販売を任せるだけでなく、ブランドが自社アカウントで継続的に配信する「自社配信」に取り組む企業も増えています。

KOLによる配信で一気に認知と売上をつくり、自社配信で既存顧客との関係を深めるという組み合わせが、安定した売上につながる形として注目されています。

2.2 ショート動画と検索が結びついた「種草」

中国の消費者は、ショート動画で商品を知り、REDなどで口コミを検索して比較し、ECで購入するという流れで商品を選んでいます。そのため、ショート動画による認知と、検索されたときに見つかる口コミ投稿の両方を設計することが重要になっています。

特にREDでは、ユーザーの潜在的な悩みや関心に合わせたコンテンツが表示されやすく、特定のターゲットの悩みに深く応える投稿が支持を集める傾向にあります。

2.3 AI・デジタルヒューマンの活用が広がる

中国では、AIで生成したデジタルヒューマン(バーチャルキャスター)によるライブ配信や、AIを活用した投稿制作・データ分析が広がっています。長時間の配信や多言語対応を低コストで実現できることから、ライブコマースの補完手段として導入する企業も増えています。

一方で、AI活用には表示義務などのルールも設けられており、人によるKOL施策とAIによる効率化をどう組み合わせるかが今後の差別化のポイントになります。

2.4 ライブコマース規制の強化

2026年2月1日には、国家市場監督管理総局と国家インターネット情報弁公室による「直播電商監督管理弁法(ライブコマース監督管理弁法)」が施行されました。プラットフォーム、配信ルームの運営者、配信者、MCNなどの関係者それぞれに責任が定められ、虚偽・誇大な宣伝の禁止や、AI生成の人物を用いる場合の表示義務などが明確化されています。

日本企業が中国でKOLやライブコマースを活用する際にも、訴求内容や表現が規制に沿っているかを事前に確認する体制が、これまで以上に重要になっています。

3. 日本企業が中国KOL施策で取り残されがちなポイント

中国市場は日本企業にとって大きな可能性を持つ一方で、現地のスピード感や商習慣の違いから、施策が思うように成果につながらないケースも少なくありません。その多くは、KOLの選び方や施策の組み立て方に原因があります。

しかし、変化の激しい中国のプラットフォームやKOLの動向を日本から把握し続けるのは、容易なことではありません。現地の最新トレンドを理解し、KOL選定から配信・効果測定まで一貫して任せられるパートナーの存在が、成果を左右するといっても過言ではありません。

プロモインフィニティでは、RED・Douyin・Weibo・WeChatなど中国の主要SNSを活用したKOL施策、口コミ施策、ライブ配信マーケティングを一貫して支援しています。美容機器ブランドの中国向けライブ配信では、1時間の配信でROI 900%を達成した実績もあります。中国市場での施策にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

3.1 日本での成功パターンをそのまま持ち込んでしまう

日本で反応が良かった訴求やクリエイティブを、そのまま中国語に翻訳して展開してしまうケースは少なくありません。しかし、中国の消費者が重視するポイントや好まれる表現は日本とは異なり、翻訳しただけの発信では現地の消費者に響かないことがほとんどです。

現地のトレンドや消費者インサイトをふまえ、訴求内容そのものをローカライズする視点が欠かせません。

3.2 フォロワー数だけでKOLを選んでしまう

フォロワー数の多いKOLを起用すれば効果が出るとは限りません。フォロワーの属性が自社のターゲットと合っているか、過去の投稿で商品を紹介した際の反応はどうかといった点を確認せずに起用すると、費用に見合った成果が得られない原因になります。

KOLの影響力を正しく見極めるには、エンゲージメントの質や過去の実績など、数字の裏側まで分析することが重要です。

3.3 単発の施策で終わってしまう

一度KOL施策を実施して話題になっても、その後の発信や口コミの蓄積が続かなければ、認知は一過性で終わってしまいます。KOL施策をきっかけに、KOCの口コミ、自社アカウントでの発信、ライブ配信へとつなげる継続的な設計がなければ、売上の積み上げは難しくなります。

中長期の視点で施策全体を設計することが、中国市場で定着するための条件です。

4. 2026年に成果を出すKOL施策の最新アプローチ

ここまでの現状とトレンドをふまえると、2026年の中国KOLマーケティングで成果を出すためには、KOLとKOCの組み合わせ、プラットフォームをまたいだ導線設計、そしてデータに基づく改善が重要になります。ここでは、それぞれの具体的なアプローチを解説します。

4.1 KOLとKOCを階層的に組み合わせる

影響力の大きいトップKOLで一気に認知を広げ、中堅KOLで商品理解を深め、多数のKOCでリアルな口コミを積み上げるというように、役割の異なる発信者を階層的に組み合わせることで、認知から信頼、購買までを一貫して後押しできます。

限られた予算でも、ターゲットとの親和性が高い中堅KOLやKOCを中心に設計することで、費用対効果の高い施策を実現できます。

4.2 種草からライブ配信まで導線を設計する

REDでの口コミ投稿で商品への関心を高め、Douyinのショート動画やライブ配信で購入を後押しするなど、プラットフォームをまたいで消費者の購買行動に沿った導線を設計することが効果的です。

ライブ配信では、期間限定の特典やクーポン、視聴者からの質問へのリアルタイムの回答などを組み合わせることで、購買意欲を高められます。

4.3 データで効果を検証し次の施策に活かす

施策の実施後は、再生数やエンゲージメントだけでなく、売上、指名検索数、口コミ件数の変化などを多面的に振り返ることが大切です。どのKOLのどの投稿が成果に貢献したのかを把握することで、次回のKOL選定や投稿内容の精度を高められます。

KPI設定から効果測定、改善提案までのサイクルを継続的に回すことが、変化の激しい中国市場で成果を積み上げる近道です。

5. 2026年の中国KOLマーケティングで成果を出すために

中国のKOLマーケティングは、KOCの台頭やプラットフォームごとの役割の分化、ライブコマースの成熟、AI活用の広がり、そして規制の強化によって、大きな転換期を迎えています。有名なKOLを起用するだけでは成果が出にくくなった今こそ、戦略的な設計が求められています。

KOLとKOCを組み合わせ、種草からライブ配信までの導線を設計し、データに基づいて改善を重ねることで、日本企業も中国市場で着実に成果を積み上げることができます。一方で、現地の最新動向や規制を常に把握しながら施策を進めるには、専門的な知見と現地ネットワークが欠かせません。

プロモインフィニティでは、中国市場向けのKOL施策から口コミ施策、ライブ配信マーケティング、効果測定まで一貫してサポートしています。中国市場での認知拡大や売上向上をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

FAQ(よくある質問)

Q1. KOLとKOCの違いは何ですか?

A. KOLは特定の分野で大きな影響力を持つインフルエンサーで、KOCは一般消費者に近い立場で実際の購入体験を発信する人を指します。KOLは認知拡大、KOCは信頼の獲得に強みがあります。


Q2. 中国のKOLマーケティングで主に使われるプラットフォームは何ですか?

A. 口コミや使用体験を検索・比較するRED(小紅書)、ショート動画やライブ配信で購入まで完結させるDouyin(抖音)のほか、WeiboやWeChatなどが目的に応じて活用されています。


Q3. 「種草」とは何ですか?

A. 口コミやおすすめを通じて、消費者に「欲しい」という気持ちを植え付けることを指す中国のマーケティング用語です。特にREDでの口コミ投稿がその役割を担っています。


Q4. 2026年の中国KOLマーケティングの主なトレンドは何ですか?

A. ライブコマースの成熟とブランドの自社配信、ショート動画と検索が結びついた種草、AI・デジタルヒューマンの活用、ライブコマース規制の強化が主なトレンドです。


Q5. 2026年に施行されたライブコマースの規制とは何ですか?

A. 2026年2月1日に施行された「直播電商監督管理弁法」です。プラットフォームや配信者などの責任が定められ、虚偽・誇大な宣伝の禁止や、AI生成の人物を用いる場合の表示義務などが明確化されました。


Q6. 日本企業が中国のKOL施策で失敗しやすい原因は何ですか?

A. 日本での成功パターンをそのまま持ち込むこと、フォロワー数だけでKOLを選ぶこと、単発の施策で終わってしまうことが主な原因です。


Q7. KOLはどのような基準で選べばよいですか?

A. フォロワー数だけでなく、フォロワーの属性が自社のターゲットと合っているか、エンゲージメントの質や過去の商品紹介での反応などを総合的に確認することが大切です。


Q8. 限られた予算でも中国のKOL施策は実施できますか?

A. はい。ターゲットとの親和性が高い中堅KOLやKOCを中心に設計することで、限られた予算でも費用対効果の高い施策を実現できます。


Q9. KOL施策の効果はどのように測定すればよいですか?

A. 再生数やエンゲージメントに加えて、売上、指名検索数、口コミ件数の変化などを多面的に振り返り、次の施策の改善に活かすことが重要です。


Q10. 中国市場向けのKOL施策やライブ配信を依頼できますか?

A. はい。プロモインフィニティでは、RED・Douyin・Weibo・WeChatなどを活用したKOL施策、口コミ施策、ライブ配信マーケティングを一貫してサポートしています。

Written by

本間彩月

>> Instagram


大学卒業後、複数の企業でSNSマーケティング業務に従事。 自身もインフルエンサーや読者モデルとして活動し、若年層から高い支持を集める。
東京2020オリンピック・パラリンピックではSNS戦略責任者として全体設計を担当。 現在は弊社にて企業のSNS戦略立案・運用支援を中心に、ブランドのファンづくりやエンゲージメント向上に取り組んでいる。
主な実績 TOKYO2020オリンピック・パラリンピック SNS戦略責任者 小学館『Oggi』読者モデル インフルエンサー(Instagram / TikTok / YouTube / X / ツイキャス)

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